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日本企業の海外M&Aに関する意識・実態調査結果

海外M&A成功率は37%、依然海外M&Aの取り組みには課題が残る結果。M&A巧者の傾向からは戦略、意思決定、体制、M&A後の統合の進め方に特徴があることが浮き彫りに

デロイト トーマツ コンサルティングは、日本企業の海外M&Aに関する意識・実態調査を行い、調査結果をまとめました。

この調査は、経団連加盟企業を中心とした約1,360社を対象にアンケートを配布し、145社の企業から回答を得たものです。調査は経済産業省より2017年に委託を受け実施したもので、調査結果は経済産業省の「我が国企業による海外M&A研究会」での議論に活用されるとともに、2018年3月に発表された「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」の策定にも活用されています。

今回発表するレポートでは、「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」を裏づける、海外M&A成功企業に見られる特徴的な傾向について、定量的にまとめています。なお、調査結果の詳細、本リリースに掲載のない調査結果、グラフ等については、本日公表しているレポートをご参照ください。

【調査結果の主なポイント】

■海外M&Aの成功率は37%。(図1)依然として日本企業の海外M&Aには次のような課題が残る
・M&Aプロセス別に見るとPMIをうまくできたと評価する割合が少ない(図2)
・M&A専門部署の設置割合が、前回調査に比べ上がっているが、海外M&Aの成功とは直接の関連性が薄い(図3)
・グローバル経営のノウハウ・体制があると評価する企業は3割に留まる(図4)

■経済産業省が2018年3月27日に公表した「海外M&Aを経営に活用する9つの行動」を裏づける、成功企業の傾向が次の通り読み取れた
・成功企業では経営戦略に海外M&Aが織り込まれ、位置付けが明確である(図5)
・成功企業では経営トップが迅速な意思決定を行い、案件への主体性を持って取り組んでいる(図6)
・成功企業はディール前からPMIを見据えて準備しDay1以降の確実な企業価値実現に繫げている(図7)
・成功企業は確実に見込めるシナジーまでを織り込んだ堅実な買収価格で合意している(図8)
・成功企業は「ディールありき」ではなく、案件中止も視野に入れた適切な撤退判断ができる体制を持っている
・成功企業は案件の起案者がディールから買収後の経営までコミットメントを継続し、特にクロージング後も案件の準備期間と同様に中長期的な関与を行う場合が多い

【図1】海外M&Aの成功率
海外M&Aの成功率は37%。日本企業にも海外M&A巧者が現れつつあるが、失敗の割合もいまだ2割を超え、成功と言えない割合まで含めて6割を超えており、取り組みに課題が残る

【図2】M&Aの各プロセスにおける取り組みの評価

【図3】M&A専門組織の設置割合
2008年、2013年にデロイト トーマツ コンサルティングが実施した「M&A 経験企業にみる M&A 実態調査」での結果と比較し、M&A専門部署の設置割合は上がっている。しかし海外M&Aの成功との関連性は弱い

【図4】グローバル経営のノウハウ・体制
海外M&Aでは、企業文化・価値観のみならず、ルールや経営管理手法、人材においてもグローバルに通じる体制を構築することためのノウハウ・体制が重要であるが、それを有するとの回答は3割に満たない

【図5】海外M&Aの経営・事業戦略上の位置付け(複数回答)
成功企業では中期経営計画に海外M&Aが織り込まれ、位置付けが明確である。一方失敗企業では戦略に織り込まれていない、という回答の割合が高い

【図6】経営トップ層のコミットメント
成功企業では経営トップが迅速な意思決定体制や案件への主体性を持って取り組んでいる割合が高い

【図7】PMIの検討を開始した時期と、期待した企業価値の実現度
成功企業はディール前からPMIを見据えて準備しDay1以降の確実な企業価値実現に繫げている

【図8】買収価格の設定
成功企業は確実に見込めるシナジーまでのみを織り込んだ堅実な買収価格で合意している

2018.05.30 更新