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残留農薬 基礎講座③ 「環境への安全性の評価」

柑橘

残留農薬 基礎講座 第3回目は「環境への安全性の評価」です。

~第4回目は「農薬の使用方法を守る理由」です。~

 

3.環境への安全性の評価

農薬を登録する上で、人畜に対する安全性以外に、水産動植物やミツバチ等に対する安全性についても検査を行っています。

(1)水産動植物への影響
水産動植物にかかる登録保留基準として、コイに対する48時間の半数致死濃度(LC50)を用いて、一律の基準が設定されています。しかし、供試生物はコイのみであり、また環境中での暴露量が考慮されていないなどの課題があります。

このため、環境省において農薬による野生生物や生態系への悪影響の未然防止に係る検討を行い、水産動植物に対する毒性に係る登録保留基準について実質的な生態系の保全を視野に入れた取組を強化するため、魚類、甲殻類、藻類に対する毒性値と公共用水域における予測濃度を比較して評価する手法に改める旨の環境省告示改正が行われ、平成17年4月から施行されることとなりました。

なお、農林水産省においては従来から魚類のコイだけでなく、甲殻類のミジンコ類、藻類では植物プランクトンの一種を供試生物として実施した試験成績を求めています。魚毒性試験では処理96時間における半数致死濃度(LC50)を、ミジンコ遊泳阻害試験の場合には、処理48時間の半数遊泳阻害濃度(EC50)を求め、影響の程度の判定を行い、農薬の使用上の注意に反映されています。

(2)有用昆虫等への影響
有用昆虫(蚕、ミツバチ、天敵昆虫等)への影響をみるため、各有用昆虫を用いた試験が行われます。ミツバチでは半数致死量LD50、蚕では残毒期間等が調べられ、農薬使用時における安全な取り扱い法が確立されます。

(3)鳥類に対する影響
使用場面、剤型などを考慮のうえ、必要に応じて実施されます。ウズラやマガモ等を用いて経口毒性試験の結果、強い毒性が認められる場合には、混餌投与毒性試験も実施され、鳥類への影響を調べています。

(4)有効成分の性状、安定性、分解性等
農薬の有効成分等の性状、安定性、分解性等農薬の安全性評価に当たって必要不可欠な基礎的科学的知見を得ることを目的として行われる試験でありますが、環境中での動態を推測するのに重要な指標としても利用されます。

残留農薬 基礎講座① 「農薬とは?」

残留農薬 基礎講座② 「農薬の残留基準値の決め方」

残留農薬 基礎講座④ 「農薬の使用方法を守る理由」

残留農薬 基礎講座⑤ 「残留農薬の用語解説」

 

出典:農林水産省HP

2017.10.30 更新