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平成29年度 大腸がんに関する全国意識調査 集計結果報告

NPO法人ブレイブサークル運営委員会は、平成24年から5年間にわたり大腸がんに関する全国意識調査を行なってきました。本年は5月に大腸がん検診対象世代である40代~60代の全国の男女14,046名を対象に、大腸がん検診に関する全国意識調査(調査方法:インターネット意識調査)を実施しました。
集計の結果、全対象者では「大腸がん検診(便潜血検査)を毎年受けている」と答えた人の割合は40.0%となり、男女別では男性が45.9%に対して、女性が33.9%で男女に開きがありました。
「大腸がん検診の内容(=便潜血検査)」についての認識は、男性の46.2%に対し、女性が62.3%と高くなりましたが、「大腸がんの危険性」についての認識は男女ともに低いままです。大腸がん検診(便潜血検査)を「全く受けていない」「2年以上受けていない」と答えた人の理由の上位は、順に「便の提出が面倒くさい」「自覚症状がない」「費用がかかる」などでした。
また新しい試みとして、健康保険の種類と大腸がん検診の受診の関係について調べたところ、「大腸がん検診を毎年受けている」と答えたのは職場の健康保険加入者で5割、国民健康保険加入者で3割でした。

日本では年間約135,000人が大腸がんに罹り、約47,000人が大腸がんで死亡しています※1。特筆すべきは女性の大腸がんによる年間死亡数が22,881人で、乳がんで亡くなる人(13,584人)の1.68倍に上ることです。大腸がんは女性のがん死亡原因の1位です※2。大腸がんは早期発見・早期治療すれば9割以上が治癒しますが、検診の受診率は37.9%※3と国が目標に掲げている大腸がん検診受診率50%を下回っている状況です。

一人でも多くの方が大腸がんに関する正しい知識を持って検診を受けることで、大腸がんの早期発見・早期治療につながるよう願い、本調査を情報発信の参考資料としてお役立ていただければ幸いです。
※1国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計(2012年の実績)』より
※2国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計(2015年の実績)』より
※3平成28年 国民生活基礎調査より

【調査結果】 回答数: 全国47都道府県 14,046名 (男性 7,050名、女性 6,996名)
実施時期:平成29年5月 対象年齢:40代~60代 調査方法:インターネット意識調査

 

■ 大腸がん検診(便潜血検査)受診は男女に開きがある
「大腸がん検診(便潜血検査)を受けたことがありますか?」という設問に関して、「全く受けたことがない」と答えた人28.2%に対し、「毎年受けている」と答えた人は40.0%で、 5年前の平成24年の同調査に比べ5.0ポイント上昇しました。しかし男女別に見ると男性が45.9%に対し、女性は33.9%と開きがありました。

 

 
■男性と女性は大腸がん検診(便潜血検査)を受けるキッカケが大きく異なる
受診理由は「職場の健康診断メニューにあった」が男性では1位(1,819名)ですが、女性は3位(1,020名)。女性の理由の1位は「市区町村からの案内(1,413名)」でした。男性の多くは職場の健康診断で大腸がん検診を定期的に受けているのですが、女性は市区町村からの何らかの案内に促されて受診しているケースが多いようです。

 
■女性が大腸がん検診(便潜血検査)を受けない理由
大腸がん検診を「全く受けていない」「2年以上受けていない」と答えた人に、その理由を聞いてみました。男性の1位は「自覚症状がない」、続いて「費用がかかる」「便の提出が面倒」の順です。女性の1位は「便の提出が面倒」、続いて「自覚症状がない」「費用がかかる」でした。さらに「決められた日に便を提出できなかった」人が男性107名に対して女性は264名でした。厚生労働省の調査※では便秘を訴える女性は男性の2倍いると報告されており、これらの理由と共に今後さらに詳しく調査が必要だと思います。
※厚生労働省「平成 25 年 国民生活基礎調査の概況」より

 

 
■女性の方が大腸がん検診(便潜血検査)について知っている
大腸がん検診は便潜血検査であることを知っている男性は46.2%ですが、女性は62.3%でした。

 
■男性も女性も大腸がんの危険性についての認識は低い
「大腸がんの死亡者数が胃がんを抜いて2位※になったこと」を知っていた男性が27.8%、女性は39.3%。
「大腸がんが女性の死亡原因の第1位※であること」を知っていた男性が19.4%、女性は37.2%。
「大腸がんは進行するまでほとんど自覚症状がないこと」を知っていた男性が42.8%、女性は49.4%でした。大腸がんの危険性を認識している割合は、男女差は有るものの、全体としては低くなりました。
※国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計(2014年の実績)』より

 

 

 
■大腸がんは早期発見・早期治療すれば治ることを女性の方が知っている
大腸がんは危険な病気ですが「早期発見・治療すれば9割以上が完治する」ことを知っていたと答えた人が、全体で34.4%でした。男性が30.2%、女性は38.6%でしたが40.0%には達していません。 6割以上の人があまり認識していないことが分かりました。

 

■大腸がんについての情報はどこから得ているか?
大腸がんの情報入手先の上位は「TV・ラジオ」「インターネット(SNS含む)」「新聞・雑誌」でした。
男女で見ると男性は「インターネット(SNS含む)」が1位ですが、女性は「TV・ラジオ」が圧倒的に多いです。また「家族、友人、知人」を情報入手先にあげた女性が多く、「医療機関」や「自治体」を上回っていました。女性がマスコミやインターネットに加え、「家族、友人、知人」から情報を得ていることが分かります。今後、大腸がん検診のお知らせの方法として、自治体のWebサイトとともにSNSを活用することも検討の余地があると思われます。

 

 

■大腸がん精密検査を受けない理由
大腸がん検診で陽性になった場合、「半年以内に大腸がん精密検査も医療機関での診察も受けない」と答えた人に理由を聞きました。男女共に1位「自覚症状がない」、 2位「費用がかかる」、 3位「いつでも医療機関で診察が受けられる」と答えています。男性の4位は「時間がない」ですが、女性は「痛くて辛そう」でした。

 
大腸がんに関する全国意識調査の新しい試み
■健康保険の種類と「大腸がん検診を毎年受けている」と答えた人の関係について
今回新しい試みとして、健康保険の種類と「大腸がん検診を毎年受けている」と答えた人の関係を調べてみました。その結果、全国意識調査の対象者のうち国民健康保険の加入者は6,571名、職場の保険等の加入者は7,224名、未加入者は251名でした。「大腸がん検診を毎年受けている」と答えた人の割合は、国民健康保険加入者が29.5%(1,937名)、職場の保険等加入者が50.3%(3,633名)でした。

 
男女別に見ると、国民健康保険加入者で「大腸がん検診を毎年受けている」と答えた男性は30.8%(1,034名)、女性は28.1%(903名)です。職場の保険等加入者で「大腸がん検診を毎年受けている」と答えた男性は61.4%(2,183名)、女性は39.6%(1,450名)でした。これはあくまで意識調査の結果ですが、国民健康保険では男女の差がなく、職場の保険加入者では女性は男性の2/3に留まっていました。

 

 

2017.09.08 更新