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パスタ生地の材料と食感の関係 <その2>

はじめに

 前回の記事ではパスタ生地の食感と卵の添加との関連性を書かせていただきましたが、今回はパスタ生地の食感と「食塩」との関連性を書いていきます。

 

  1. パスタ生地と食塩の関係
    1. 「食感に与える影響」

      前回の記事ではパスタ生地のコシは卵のタンパク質により形成されるとご紹介しましたが、これは小麦粉中のタンパク質が変質した「グルテン」の形成によってももたらされます。また、記事の中に少量の塩を添加すると、グルテンの持つ力の中でも特に、「伸展性が良くなる」という効果があります。塩を入れないと練り上げた後の生地がだれ易く、乾燥しやすくなったり、火の通りに時間がかかったりします。

    2. 「パスタを茹でる際の塩」

      一般に乾燥パスタを茹でる際には塩をたっぷり入れたお湯で茹でますが、塩を添加した手打ちパスタでは、十分に塩味が付いているので、お湯に塩を入れる必要はありません。ちなみに、「塩を入れることによりお湯の沸点が上昇する」という話がありますが、十分に効果が得られるまで食塩を添加しようとすると、かなり大量の食塩が必要になります。一般的にパスタの茹で湯に加える食塩の量では温度の変化はごくごくわずかなものですので、茹で湯に加える食塩は基本的にパスタの味付けのために加えます。

  2. 食塩の分量とパスタの食感の変化

    「パスタのグルテン形成」

    パスタ生地の粘弾性の測定実験によると、食塩添加が麺生地の粘弾性と安定性を増大させるという結果が出ており、とくに手打ち麺では、加水量が多い方が食塩添加の効果が大きくなります。

    グルテン採取の実験によると、加水量が45%の生地では食塩添加によって採取されるグルテンの量が多量になり、食塩添加量が4%の時採取量が最大となります。また、加水量が37%の生地では、前者に比べて採取量が全般に少なくなり、食塩が2%の時が0%よりもややグルテン採取量が多く、8,10%では採取が不能となっています。このことから、加水量が多い生地で、適量の食塩添加はグルテンの形成を促進するが、加水量が少なく食塩添加量が多量の時はかえってグルテンの形成を困難にする傾向があると考えられます。

    また、食塩添加量が増大するに従い、均質なパスタ生地形成のための混ねつ時間を長く要するようになります。これは、前回の記事でご紹介した通り卵のタンパク質の劣化を誘発するため好ましくなく、特に加水量の少ない生地においてはその傾向が著しいとされています。

    「パスタの食味と食感」

    食塩の添加はパスタ生地にさまざまな影響を与えています。また、加水量に見合う適量の食塩添加が良質な生地の形成に効果があることが分かっています。

    加水量が45%の生地と37%の生地を食塩添加率をさまざまに変えて行った官能検査の結果によると、加水量45%の手打ちパスタの生地において、食塩添加量4%が最も多くの好ましい影響を得られるとされています。

     

    まとめ

    いかがでしょうか。パスタの生地は家庭でも比較的簡単に作ることが出来ますが、それらの材料の分量にこだわって作り始めると案外苦労することも多いです。パスタ生地の物性や食味に与える食塩の影響力を把握して、美味しいパスタ生地を作れるようになりましょう。

2018.10.17 更新